ミニチュア製作におけるフォントの基礎知識

講座

ミニチュア製作におけるフォントの基礎知識をざっくり解説します。

フォントとは?

そもそも「フォント」というのは活版印刷の時代に使用されていた用語で、同じ書体で同じサイズの金属活字のワンセットを指す言葉だそうです。

「書体」というのは統一された様式で設計された文字群を指す言葉です。厳密に言えばフォントと書体は意味が違うのですが、ほぼ同じ意味で使われるケースが多いのが現状でしょうか。

日本語フォントと英語フォント

フォントには大きく「和文フォント」と「欧文フォント」に分けることができます。ざっくりと言えば「日本語のフォント」と「英語のフォント」です。さまざまな言語のフォントはもちろん存在しますが、ミニチュア製作で主に使用するフォントは和文フォントと欧文フォントになるでしょう。

ゴシック体と明朝体

和文フォントの種類もさまざまなのですが、代表的な書体はゴシック体と明朝体でしょう。以下のフォントはアドビ社の配布するゴシック体の「源ノ角ゴシック」(げんのかくごしっく)です。

ゴシック体は、横の線と縦の線の幅が一定の文字になります。文字が小さくなっても読みやすいことから、ミニチュアのパッケージデザインなどでは重宝する書体かもしれません。

続いて以下のフォントは「源ノ明朝」(げんのみんちょう)という明朝体です。

明朝体は横線に比べて縦の線が太く、「うろこ」と呼ばれる三角の形状がついているのが特徴です。小説や新聞などの活字に利用されることが多い書体です。

ミニチュア製作ではゴシック体の日本語フォントと明朝体の日本語フォントの2つは持っておきたいですね。以下の「M PLUS Rounded 1c」ようなゴシック体の一種の丸ゴシック体もあれば、さらに表現の幅が広がるでしょうか。

アドビのフォントは認証に少し手間がかかるので、グーグルの配布するフォントが使いやすくておすすめです。

ゴシック体「Noto Sans JP」
https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto+Sans+JP

明朝体「Noto Serif JP」
https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto%20Serif%20JP

丸ゴシック体「 M PLUS Rounded 1c」
https://fonts.google.com/specimen/M+PLUS+Rounded+1c?subset=japanese

フォントには家族がいる?

フォントの中には同じフォント名ですが、種類の違う書体を持つものがあります。代表的なものとしてウエイト(太さ)が異なるフォントを複数用意しているケースです。たとえば前述の「源ノ角ゴシック」の場合、1番細いExtraLightから1番太いHeavyまで計7種類のウエイトがあります。

源ノ角ゴシックのフォントファミリー

こうした違いをひとまとめにしてファミリーと呼びます。フォントを選ぶときは、ファミリーの豊富さも1つの大きな基準になります。ファミリーが多いとデザインするときに非常に便利です。

ちなみにフォントファミリーは、ウエイトだけではありません。以下はHouston Sportsという欧文フォントなのですが、Left、Regular、Rightというスタイルの違う3種類のファミリーを持っています。

Houston Sportsのフォントファミリー

フォントの入手法

フォントを入手する方法はさまざまです。パソコンを買ったときに標準搭載されているフォントを使うのが一般的でしょう。パソコンを動かすOS(オペレーションシステム)がWindowsなのかmacOSなのかによって、あらかじめインストールされているフォントが違います。(同じOSでもバージョンによって異なるフォントが入っている場合もあります。)

もともとパソコンに入っているフォント以外に、無償で配布されているフォントを入手してインストールするという方法もあります。

また、有償でフォントを購入するという方法もあります。有償の場合、買い切り型と定額制のサブスクリプション型があります。

個人利用と商用利用

無償や有償を問わずフォントを使用する場合は、個人利用に限るのか、商用での利用もできるのかという点も重要です。フォントを使ったミニチュア作品を販売されるかたは、そのフォントの規約や使用条件をよく確認する必要があります。

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